2015年4月24日金曜日

●速報2● 福岡高裁第3回裁判当日集会の報告



速報1は裁判の内容について報じています。こちらよりご覧ください




小雨降る中、140名での門前集会

4月20()1240分、
安永裁判第3回期日前に、
裁判所前で門前集会を140名の参加で行いました。
小雨降る中での集会でしたが、
お父さん、弟さんの裁判に対する熱い思い、
新しい審理の流れをつくりつつあり本日の裁判の重要性を訴えた弁護団
柳田さんのインタビューアーを務められた
日本発達障害ネットワークの氏田さんが東京から駆け付けられ、
連帯のあいさつをされました。

門前集会のようす













健太さんのお父さんの訴え













健太さんの弟さんの訴え














200人を超す裁判傍聴希望者で中庭埋まる!

13時から、裁判傍聴を希望する人たちが中庭に並び、
傍聴券抽選のためのリストバンドの発行の手続きが行われました。

東京・埼玉・神奈川の関東から、
京都、大阪、兵庫、奈良などの近畿地方から、
愛知・広島など全国各地から駆けつけられました。
九州の各地からは、車移動で60名を超す人たちが参加されました。
総勢200人を超え、今まで最高の参加者でした。
10名の車イスの方は、半分の5名の方に傍聴券を発行され、
他の人は、70席をめぐって抽選券が発行されました。

裁判が始まるまでの間、 
一生懸命に目を通す光景があちこちにありました。

裁判は、1430分から開会となり、17時近くまでありました。

裁判学習会のようす












同時進行で、裁判傍聴できなかった人たち向けに裁判学習会も開催しました。
まずは佐賀地裁での判決についてとりあげた報道特集と、

それから今回の裁判の争点となっていることを、
きょうされん常務理事の赤松さんより話していただきました。










警察官らが行った取り押さえ行為は、
適正な保護行為とは言い難いのではないか。
警察庁が2004年に作成した「障害をもつ方への接遇要項」で
定められている障害のある人に配慮した
対処方法を怠った注意義務違反にあたるのではないか。
事件当日の時間の流れに沿いながら、
そのときどきでの警察官らのとった行動に過失がなかったのか、
わかりやすく話をしていただきました。

最後に全国、九州各地などそれぞれの県からの参加者に、
この事件、裁判に対する思い、
各地の活動など熱いメッセージをいただきました。
「警察官に憧れていた健太さん、その警察官に取り押さえられ、
どれだけの不安と恐怖のなかで亡くなってしまったのか…」
事件当時の健太さんの思いに心をよせ、言葉につまりながら報告する姿もありました。


140名が集った熱気を帯びた報告集会
 
1730分より大手門パインビルに会場を移して、
報告集会がもたれました。

140名の人たちで会場はいっぱいになり、
全国弁護団からの話がありました。

証人尋問では、
警察が作った接遇要項や保護行為について妥当だったのか、
所持品検査はできなかったのかなどについて尋問したが、
「気が付かなかった」、
「余裕がなかった」、
「表情が見えなかった」と
証人のベテラン警察官は繰り返すばかりでした。


ご遺族のお父さんからは
「またこのような事件は、起こると思う、
しかしこのような活動を続けていくことが大切だと思う。
これからも応援をしてほしい。」と訴えられました。

弟さんは、「今日の警察官の話を聞いて怖くなった。
なぜ認めないのか、また同様の事件が起きます」
と強い憤りをあらわにしました。

報告集会のようす


















フロアから、各関係者の発言がありました。

今日の警察官の証言は
「余裕がなかった」
「知的障害はわからなかった」
「本人の表情は見なかった」という
3つのことを繰り返し述べていただけだったという指摘もありました。

障害者権利条約が批准された現在、
私たちにできることは何でしょうか。

怒りをエネルギーに変え、
多くの人に伝えることが大切です。

これからも、
これまで以上にみんなで手をとりながら
支援を続けていきましょう。

という呼びかけと、
次回結審に向けての
様々な取り組みの提起を受けて終わりました。







2015年4月21日火曜日

●速報● 福岡高裁第3回裁判の報告

昨日4月20日に福岡高裁にて行なわれました、
安永健太さん死亡事件の民事控訴審第3回期日について、
下記のとおり速報としてご報告いたします。

第2回裁判の翌日に、福岡高裁は文書回答を指示していた


流れを変えた第2回裁判の翌日(12月16日)、
じつは福岡高等裁判所は、
健太さんの弁護団が一貫して主張してきた争点について、
佐賀県(県警)に対して、
以下の4つの争点について回答(文書での反論)の提出を求めていました。

福岡高等裁判所が佐賀県(県警)に指示した4つの回答提出(要約)
① 健太さん死亡事件の「取り押さえ行為」は、
  警察官職務執行法の第3条の「保護」として適法だったのか。
  また警察官は、警察庁の定めた『障害がある方への接遇要領』
  にもとづく職務注意の違反があったのか。
② 警察官らの(取り押さえ時の)過失の有無
③ 違法行為と健太の死亡の因果関係の有無
④ 損害の発生とその額

説得力のない佐賀県(県警)の文書回答


佐賀県(県警)は、2月20日に文書の回答を提出しましたが、
その内容は「知的障害があるかの予見は、とうてい不可能だった」、
「知的障害は特別な検査によって診断されるもので、
 警察官が現場で判断できない」、
「精神錯乱にあった可能性のある者を、
 『知的障害としてていねいに対応する』ことなど不可能なため、
 注意義務違反にはあたらない」など、
まったく説得力を欠いた文書回答を提出していました。

健太さんの弁護団は、
すでに佐賀県(県警)の回答への反論を4月13日に提出したうえで、
今回の第3回裁判を迎えました。

第3回裁判 「余裕がなかった」を繰り返したE警察官の証人尋問


第3回裁判では、弁護団の要望を受けた福岡高裁の指示で、
事件現場で健太さんを取り押さえたE警察官の証人尋問が実現しました。
尋問は、合計2時間15分に及びました。

弁護団は、「E警察官が知的障害に気づく場面はあったはず」、
そのうえで警察庁が事件の3年前に作成した
『障害がある方への接遇要領』による「適切な対応は可能だった」
ことなどを念頭に、事件当日の取り押え行為の事実経過を尋問しました。
質問の焦点ごとにE警察官の証言を紹介します。

※以下、 ●は質問の焦点、「 」がE警察官の証言、(  )が弁護団の質問・発言です。


●知的障害や障害者手帳は知っていか、また『接遇要領』は読んでいたか?

「33年間の警察勤務で知的障害の人に接したことがない、私的な生活でもない」
「療育手帳はわからない」
「障害者手帳は知っている。母も持っているので」
「『知的に障害がある人』と、手帳の表紙に書いてあればわかる」

(健太さんは、当日、知的障害福祉サービス受給者証を持っていたが、
 それを見たら知的障害と理解できたか?)

「手帳を掲示してくれれば、わかる」
「『接遇要領』は読んでいない」
「全ての警察官が読まなければならないかはわからない」

●健太さんの表情を確認したか?

「バイクに衝突し転倒し、立ち上がったところで
 腕を抑えた時から表情は確認できていない」
「アー、ウーという言葉を繰り返すばかりだった」
「ツバを吐きかけられたときも、
 服に付いたツバで確認したため表情を見ていない」
「歩道でしりもちをつき、その後仰向けになり、
 腕を抑えたが表情を見る余裕はなかった」
「うつ伏せにさせ、左手に後ろ手錠をかけたが、
 そのときも表情を見る余裕はなかった」

(発生から8分後に2人、10分後に6人の応援警察官が到着し、
 E警察官は取り押えから外れたので、
 そのとき表情を確認できたと思うが、確認したのか)

「表情まで確認できていない」

●職務質問や所持品の確認はしたか?

「アー、ウーと意味不明な言葉ばかりで、意思疎通できると思えなかった」
「暴れて自傷他害の危険を防ぐことに精一杯で、そんな余裕はなかった」

(応援警察官が来てからは、所持品を確認し、
 受給者証を見つけることはできたのでは)

「しなかった。そんな余裕がなかった」

(救急車で運ばれる頃に、ようやく他の警察官が所持品を確認していた)

●手錠の使用は違法ではないか?

「主任警察官がいなくても、現場の判断で、手錠の使用は認められている」
「うつ伏せになったところで、左手錠はしたが、両手錠はできなかった」
「自傷やバイクの運転手に危害を加える危険性、
 道路に飛び出す危険性を避けるために手錠せざるを得なかった」

(応援警察官6人が取り押えているときに両手錠をかけられたが、
 あなたが指示したのか)

「指示していない」

9月14日が判決前の最終弁論、さらに賛同・支援をひろげよう!


E警察官の証人尋問は、事件当日の警察官の取り押えの不自然な点や、
多くの矛盾・疑問が裁判官の前で明らかにされました。

しかし、その真実を語れるのは、
その場に居合わせた健太さんと、
取り押さえた警察官だけです。
しかも健太さんは、証言すらすることができないのです。

「健太さんをパニックにさせた最初の原因はなんだったのか」

「常に医師の診断がなければ知的障害と判断することはできないのか。
ではどうして精神錯乱などという判断ができたのか」

「屈強な警察官に制圧されたら、普通『やめてくれ』、
 『痛い』などの声をあげるはず、しかし健太さんに言葉はなかった。
どうしてそれに気づけないのか」

「保護するならば、本人の状態や表情をもっとも確認するはずなのに、
 一度も表情を見ていないのはどういうことか」

「もっと早く所持品の確認をしていれば、知的障害がわかったはず」

「手錠で制圧することが、『適正な保護』なのか」…

など、聞けば聞くほど、疑問点は増えるばかりです。

「障害とは何か、適正な保護とは何か」を問うこの裁判、
障害者権利条約を批准した国にふさわしい結論を願うばかりです。

次回行なわれる9月14日の最終弁論までの期間が、
この裁判でもっとも大きな山場となります。

もっと幅ひろい、もっと多くの応援・支援が必要です。
さらなるご協力をいただきますよう、どうぞよろしくお願いします。

PDF版 安永健太さん死亡事件 福岡高裁第3回裁判の報告

佐賀新聞の報道

引き続き、慎重な審理を求める要望にご協力を!

現在行なわれている民事控訴審において、
福岡高裁に慎重かつ丁寧な審理を求める要望を、
9月14日の第4回期日に向け、引き続き行なっていきます。

当要望書にはすでに、
全国から472の団体および個人のみなさまより
3万1千筆ものご協力をいただいております。
これらは全て福岡高裁に、これまで5回にわたって
届けております。

第3回期日に向けた要望につきましては、
ご協力いただいたみなさまには
心より御礼申し上げます。

第4回期日の日程が9月14日と決まった今、
引き続きこの要望を継続いたします。

民事の高裁での裁判が佳境を迎える今、
健太さんはなぜ亡くなってしまったのか、
その真実を明らかにするための要望について、
さらなるご協力をいただきたく、
どうぞよろしくお願いいたします。

以下の書類をご覧いただき、
賛同いただけましたら、
お手数ですが印刷して署名いただきますよう、
よろしくお願いいたします。

以下よりダウンロードください。

  安永健太さん死亡事件の慎重な審理を求める要望書


ぜひ周りの方にも
内容をご確認のうえ署名いただくよう、
広げていただきますと幸いです。

署名いただいた書類は、

安永健太さん死亡事件を考える会 福岡事務所
811-1353 福岡県福岡市南区柏原4-25-26 かしはらホーム内
TEL: 092-567-7766 FAX: 092-567-7788

あてに、遅くとも2015年9月9日(水)までに
郵送、もしくはFAXしていただきますよう、
よろしくお願いいたします。

2015年4月20日月曜日

西日本新聞に全面意見広告を掲載

2015年4月20日、
民事裁判第3回期日が行なわれる
その日の西日本新聞(朝刊)に、
全面意見広告を掲載しました。

ノンフィクション作家、評論家の柳田 邦男先生にインタビューさせていただきました。

当裁判支援の呼びかけ人である
一般社団法人日本発達障害ネットワーク専門委員の
氏田照子さんがインタビュアーになっていただきました。

人を見る姿勢を、個人として、社会としてどう育んでいくのか、
とても示唆に富む内容となっております。

お読みいただく際は、データをダウンロード、または下記文字起こしをご利用ください。



西日本新聞掲載意見広告 2015年4月20日



● 以下のデータよりご覧ください ●

  西日本新聞意見広告(2015年4月20日付) 


当意見広告および前回の意見広告は、
安永健太さん死亡事件裁判の弁護費用や支援活動費用などの財源となる
支援募金を呼びかけいただく際に、資料として使用することができます。

当意見広告および支援の輪を
全国へ広げていただきますよう、
どうぞよろしくお願いいたします。


以下、ご覧になれない方が
読むことができるよう、文字おこししました。
ぜひお読みください。



本日、安永健太さん事件 福岡高等裁判所で審理



違いを認め合い、理解し合い、共に育ち、誰もが幸せに生きよう


いろんな違いを持つ人たちがいることを認め合い理解し合うことで、
障がいがある人もない人も共生できる社会が実現します。
あらゆる差別や偏見をなくし、誰もが幸せに
生きていくためにはどうしたらいいのか。
佐賀県で起きた安永健太さん死亡事件を契機に、
ノンフィクション作家の柳田邦男さんによる問題提起は
これからの地域づくりなどに大きなヒントになりそうです。
聞き手は一般社団法人日本発達障害ネットワーク専門委員の氏田照子さん。

人間を見る姿勢をしっかりと熟成させる


氏田さん 

 私は自閉症と知的障がいを持つ息子がいます。
 こうしたコミュニケーション障がいを持つ人のことを
 もっと理解してほしいし、知っていただきたいと思っています。

柳田先生 

 NHK障害福祉賞という人生記の選考委員を30年近くやっています。
 1980年代から90年代は目に見える身体障がいを持つ人たちからの応募が主で、
 本人も保護者も社会的偏見と闘い、人生を拓いたことを伝えるものでした。
 目には見えにくい自閉症や知的障がいのある人への差別、
 偏見が議論され始めたのは90年代で、差別を受けた人たちが投稿を始めました。
 2000年代には統合失調症や自閉症を持つ本人が
 積極的に体験記を書くようになってきました。

 これは時代の変化もありますが、障がい者教育のたまものだと思います。
 幼少期の教育現場では少しずつですが、障がい者への偏見や差別をなくし、
 それぞれの個性を認め合うことが生まれつつあります。
 
 しかし、社会に出るとそうした受け止め方が浸透していないのが現状です。
 警察官や消防署員をはじめ一般の人々がまちで何か異変事があると
 「ひょっとしたらこの子は知的障がいがあるかもしれない」という
 人間を見る姿勢が成熟しているとは思えません。
 もっと子どもや若者を見る目をしっかりと成熟させる必要があると思います。


能力や個性を許容し共生する文化を育む


氏田さん 

 成熟させるためにはどうすればいいのでしょうか。

柳田先生

 就職する前迄の様々な教育の段階で、単に知識としてだけではなく
 現場で学ぶカリキュラムが必要だと思います。
 世の中にはいろんな個性の持ち主がいますし、
 それぞれの価値観、人生の歩み、家族構成も違います。
 しかし、現在は成績や成果中心主義で世の中が進み、
 理解や仕事が遅い人は除外され、1人1人に対しての
 関心を持つことや理解がなされていません。
 これは障がいを持つ人だけではなく、セクハラやパワハラにもつながっています。
 
 企業では職場研修、特に管理職研修で人間を見る目を養い、
 上司として部下に伝え職場の在り方を変えていくべきです。
 
 地域では自治体で行われる人権週間などを活用するのもいいでしょう。
 さまざまな人生や個性を許容し合える視点を持つことは、
 災害時にも役立つなどの多様性が生まれてきます。
 難しいとは思いますが、それが社会に生きるということです。

氏田さん

 障がいを持つ人の中にはコミュニケーションが取れない人もいます。

柳田先生

 効率主義社会の中でそうした人を排除しています。
 それが差別の背景としてあります。人間はいろんな能力があり個性があります。
 それらを共生することが国の文化として根付かないといけないと思います。


その人の生き方や暮らし、命を守る教育を


氏田さん

 息子は言葉が話せませんでしたが、近所の子と一緒に遊んでいました。
 他地域の子が息子をいじめると守ってくれるのです。

柳田先生

 障がいがあっても決して不幸ではありません。
 このことを母親だけではなく、父親もしっかり理解するべきです。
 
 私は絵本の読み聞かせを薦めています。
 肉声やスキンシップが失われていく中で、
 読み聞かせは他者の悲しみを理解する感性を育み、
 子どもたちは驚くほど成長します。
 読み聞かせは障がい者の個性を理解する扉を聞きます。
 保護者は障がいを持つ子をどんどん外に出させて近所の子どもと遊ばせてください。
 それが自分の子どもはもちろん、近所の子どもまで成長させることにつながるのです。

氏田さん

 安永健太さんの事件を知り、同じような子どもを持つ
 多くの家族たちがいたたまれない思いでいます。
 安永さんのウー、アーは本当に最後の最後のSOSだったと思います。
 それすらも無視された。
 2度と同じような事件を起こさないために、
 この事件から何を学び何を伝えていけばいいのでしょう。

柳田先生

 この事件は強圧的な治安の維持を旗頭にして起きたと思うのです。
 地域交番のお巡りさんは地域の事を理解し、
 そこに住む人のことをよく知っているという本来の役割を取り戻してほしい。
 人間に寄り沿い、温かい目を向け、本当の意味で
 警察官として地域住民の生き方や命、暮らしを守る
 職業研修が必要になってくると思います。
 
 この事件からどういう教訓を得て、
 より安全安心な社会を作っていくのか。
 職業人として社会人として、
 どう求めて引き出していくべきなのか
 社会的議論を高めたいものです。


社会のすみずみで障がいについての理解を広げよう

 

「障がいとは何か、そして適切な対応とは」

慎重な審理と公正な判断に期待と注目


「警察官らは、安永健太さんが知的障がいや自閉症といった
 コミュニケーションに困難や障がいを抱えた市民であることの可能性など
 つゆほども思いもせず、ゆっくりで、かつ穏やかに話しかけ、
 近くで見守るなどといった適切な対応をしませんでした。
 警察官のうちの一人でも、このことに思い至っていれば、
 健太さんが亡くなる事件は起きなかったはずです。
 想像してみてください。
 言葉のまったく通じない外国で、いきなり大声で追いかけられたら、
 いったい何事かと不安になることは当然です。
 その上、よってたかって押さえつけられたら、
 何が起こったか分からず、どんなに恐ろしいか。
 驚いて必死に抵抗することは、精神錯乱者なのでしょうか」

これは、昨年12月15日に福岡高等裁判所(以下、福岡高裁)で聞かれた、
安永健太さん死亡事件裁判で弁護団が主張した意見です。

知的障がいのある安永健太さんが5人の警察官に取り押さえられ、
うつ伏せで後ろ手錠までかけられ、その直後に亡くなったこの事件は、
2007年9月に佐賀県佐賀市で起きました。

14年2月、佐賀地方裁判所は、健太さんの死亡原因を明らかにせず、
警察官の取り押さえは「適正な保護だった」という判決を下しました。
この結論に承服できない遺族は、真実を明らかにするために
福岡高裁に控訴しましたが、裁判の行方は不透明でした。

ところが12月15日の裁判では、少し流れが変わり始めました。
死亡事件が起こる3年前の04年、警察庁は「障害をもつ方への接遇要項」を
全国の県警等に配布し、障がいがあると思われる人には、
「優しく、かつ相手を尊重したことば遣いで対応し、
 コミュニケーションが不十分であったら、
 ゆっくり、分かりやすい対応をすること」
を全国の警察官に指示していました。
また事件当日、健太さんは障害児学校時代の生徒手帳を持っていました。
もし警察官が、健太さんのコミュニケーションの困難さに気付き、
健太さんと一緒に所持品を確認していたら、
痛ましい事件は起こらなかったはずです。
健太さんの弁護団は、こうした点から「警察官の注意義務違反」を主張しました。

15年4月20日の福岡高裁の裁判では、この弁護団の主張についての審理が行なわれます。
佐賀地裁の裁判ではなかった展開です。

障害者権利条約を日本政府が批准して1年を経過しました。
障害者差別解消法も成立し、いよいよ地域社会のすみずみに、
障がいについての理解を広げる取り組みが、
国ならびに全国各地の自治体で進められようとしています。

それだけに、安永健太さん死亡事件の裁判の行方は、
大きな社会的な意味を持っています。
多くの障がいのある人やその家族・関係者は、
福岡高裁における慎重な審理と公正な判断に、熱い期待と注目を寄せています。

※障害者者権利条約…
 2014年1月、わが国は障害者権利条約を批准しました。
 国連議会で採択されたのは06年。
 主な内容は障がいに基づくあらゆる差別の禁止、
 障がい者が社会に参加し、包容されることを促進するなど。
 障がい者に関する初めての国際条約です。


安永健太さん死亡事件とは


2007年9月25日、佐賀市で暮らしていた知的障害のある健太さん(当時25歳)は、
障害者通所施設から自転車で帰宅途中、
5人の警察官に取り押さえられ、命を落としました。
遺族は、「真相を明らかにしてほしい」と裁判を起こしました。
しかし、昨年2月の佐賀地裁の判決は
「障がいへの無理解やコミュニケーションに困難を抱えた健太さんに
原因を押しつけた、障がいのある人の人権を無視した内容でした。
2度と同じ事件を起こしてはならない」ため、
遺族は勇気を振り絞り、福岡高裁に控訴しました。




私たちも応援しています


九州各県の障害関係団体等支援者77名

支援呼びかけ人12人および1団体

賛同人10名


平成27年4月20日 西日本新聞朝刊掲載

慎重な審理を求める要望書を福岡高裁に手渡してきました

民事控訴審第3回期日の前週の
去る4月17日(金)、
福岡高等裁判所へ

「安永健太さん死亡事件の慎重な審理を求める要望書」

を届けてきました。

高裁に手渡したのは5回目で、
今回は5,563筆もの要望となりました。

累計では3万1千筆超もの要望を
届けることができました。

ご協力いただいたみなさま、

心より御礼申し上げます。

このとりくみの今後のスケジュールについては、
また追ってお知らせいたします。

とりくみ開始の際には、
どうかさらなるご協力いただきますよう、
よろしくお願いいたします。