2015年3月26日木曜日

大学習会in福岡を開催!

2015年3月25日13時~16時、
福岡市民福祉プラザ大ホールにて、
「安永健太さん死亡事件裁判大学習会」が開催されました。

194人が参加したこの学習会。













●あいさつ

はじめに
呼びかけ人代表として、
福岡市視覚障害者福祉協会福祉対策部長の登本さん、
そして全国弁護団長の河西弁護士より
あいさつをいただきました。


●連帯あいさつ

その後、
日本障害フォーラム幹事会議長、 日本障害者協議会代表の藤井さん、
電動車いす購入訴訟原告の小林奈緒さんのお父さまより、
連帯あいさつをいただきました。




















その後、福岡市障害者関係団体協議会の
中原理事長からのメッセージの代読。


●ご遺族からのお話

そして、安永健太さんのお父さまのお話し。

民事裁判の控訴を決断された思いは、
参加されたみなさんに深く伝わりました。

当日参加できなかったみなさん、以下の動画をご覧ください。

















その後、健太さんの弟の浩太さんがお話しをされました。

「兄ちゃんはヒーローだった、自分をいじめた子をやっつけてくれた」

「一回テレビの音がうるさかったので怒鳴ったら
 兄ちゃんは理解ができなかったが、
 ちゃんとやめてほしいと説明したらやめてくれた」

「ウー、アーという言葉が何回も
 事件の調書に出てくるが、自分はこれまで1回も聞いたことがない。
 どなられ押さえられたことで、弟の自分も知らないような
 パニック状態になってしまった。
 警察の対応がもっと違っていれば、
 命がなくなることはなかった」

「ウー、アーと言ったから精神錯乱を疑った
 という警察の判断が、刑事事件では確定している。
 兄ちゃんはいつも単語で話す。
 キャッチボールするとき、ボールを握って「やろ」と。
 自分には子どもがいるが、ウー、アーとしか言わない時期がだれにでもある。
 単語で話す兄ちゃんがパニックになったら、
 単語を話す余裕があるはずがない。
 障害を理解できていたら、精神錯乱とすぐに判断することはなかったはず。」

「兄ちゃんの死を絶対に犬死にさせたくない。
 今後こんな事件が起きたら兄ちゃんの死は犬死。
 勝つためには、みなさんの力がどうしても必要です。
 これからもよろしくお願いします。」

健太さんとの思い出に裏付けられた、
これまでの裁判での実態離れした判断を
あざやかに理解させてもらいました。



















●安永健太さん死亡事件の内容を解く

そして、大学習会というタイトルどおり、
全国弁護団の辻川弁護士より、
安永健太さん死亡事件裁判の経緯と、
問題の説明について、とてもわかりやすくお話しいただきました。





























当日のパワーポイントは、読むだけでも
この事件の問題点がわかりやすいものになっています。
ぜひご覧ください。

当日資料



●各団体の意見表明


















そして4つの団体より、
 この事件についての思いと活動内容について話しがありました。
いずれも強い思いに溢れ、
今後さらに支援の輪が強くなっていくことを感じさせられました。

この中で発表された、
安永健太さん死亡事件関西集会について、
7月11日(土)に神戸勤労会館で行なわれます。
またご案内いたしますが、ぜひ多くのみなさまに来ていただきたいと思います。




●今後の行動について

安永健太さん死亡事件を考える会福岡事務所の
古賀さんより、今後の行動について説明がありました。

1.さらなる支援の輪を広げるべく、多くの関係団体、著名人に依頼をすすめている。
  4月20日に西日本新聞紙上に意見広告を出す準備をすすめている。

2.4月20日の第3回期日の傍聴では、
  これまで以上に多くの人に集まっていただきたい。

  傍聴のご案内


3.支援活動はすべて支援募金で行なわれている。
  さらなるご協力が必要。ぜひ支援を広げていただきたい。

  募金にご協力ください



●最後に

健太さんのお父さま、弟さん、全国弁護団が登壇し、
それぞれお話しいただきました。

















以下の動画をぜひご覧ください。

◆お父さま、弟さんより















◆全国弁護団より


















●閉会あいさつ

福岡県肢体不自由児者福祉連合会副代表の
服部さんより、 障害のあるこどもの親として、
とても心ふるわせられるごあいさつをいただきました。

















今回、

安永健太さん死亡事件について、

ご遺族のともに生きてきた健太さんの姿、
健太さんへの思い、

弁護士からの法律面からの説明、

この裁判を支援する人たち、団体の
思いと実践、

といった複合的な面から、
この死亡事件をとらえることのできた、

とても有意義な学習会となりました。


健太さんはなぜ亡くなってしまったのか、
その真相が家族にもわからないこの事件。

そしてこの事件は、全国の障害のある人が
地域で安心・安全に暮らしていくために、
安全を守る立場の人、ともに地域で生きていく人の
障害への理解が問われています。

障害のある人はまだまだ特別な目で見られている傾向があります。
内閣府の2012年7月時点の調査では、
障害への差別や偏見について、
「ある」「あると思う」が89.2%となり、
前回調査地点の2007年2月に比べ6.2%上昇しています。

※障害者に関する世論調査より










十人十色の人たちが当たり前のように
毎日を暮らしている社会。
その地域でともに生きていくためには、
憶測ではなく、真実をともに理解していくことが必要なのではないでしょうか。



安永健太さん死亡事件裁判について、

ぜひ多くのみなさまよりご支援いただきたく、

心よりお願いたします。



2015年3月16日月曜日

全国大学習会まであと10日、ぜひご参加ください

安永健太さん死亡事件裁判大学習会 終了しました。報告はこちら

2015年3月25日(水) 13時~16時

福岡市民福祉プラザ大ホール

  チラシ ← お申込みはこちらをご利用ください。

内容

○ ご遺族からの話
○ 全国弁護団から
 ・何が争点となっているか、高裁での審理の核心となるものは
 ・コミュニケーションをとるのに困難を抱えるすべての人たちに関わる問題として
 ・障害者権利条約、障害者差別禁止の視点から考えて
 ・次回期日の意味、今後の裁判の見通し
○ 裁判支援の今後


開催概要

新たな局面を迎えつつある安永健太さん死亡事件裁判。
次回期日(4月20日)は大きな山場を迎えます。

この裁判では、「保護にあたるのか」
「職務執行上の注意義務違反なのか」「過失の有無」
「死亡との因果関係」「損害について」などが争点となっています。

とくに福岡高裁では、「警察官が職務執行において
一般的に求められる注意義務に違反」しないのかという点も
新たな争点として、審理のひとつの柱となってきています。

一方、次回期日では、事件にかかわった
最重要人物である警察官の証人尋問が実現しました。
ベテラン警察官として、事件現場で最初からいろんな判断し、
行動を先導した鍵をにぎる人物です。

これからが裁判の結果につながる動きとなる
重要な時期を迎えています。

だからこそ、今裁判支援関係者や
関心をもつ人たちに集まっていただき、
裁判内容をきちんと学習する機会を作りました。

全国にこの裁判内容をきちんと伝え、
広めていくことは今後の支援活動のカギを握ります。

当大学習会には、チラシよりお申込みください。

全国からのご参加を、心よりお待ちしております。



2015年3月11日水曜日

長崎で学習会を開催

長崎より安永裁判支援に関する学習会が行なわれ、
その報告をいただきました。


 写真入り報告


以下、テキストに起こしましたのでお読みください。

なかでも、この事件と障害のある人の暮らしの関係を
端的に表現している閉会のあいさつは必読です。


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去る2月22日(日)13:30~、
諫早市の小栗ふれあい会館で

もっと知ろう もっと学ぼう 障がいのある人のことを
~安永健太さん死亡事件が教えてくれること~

を開催しました。

昨年8月に続き2回目の学習会でした。

今回は2014年4月から長崎県で施行されている
「障害のある人もない人も共に生きる平和な長崎県づくり条例
(長崎県障害者差別禁止条例)」
からこの事件を考えるという視点も加えて開催しました。

4月20日の裁判の前に、市民の関心を高め、
支援の輪を広げていこうという趣旨のもとでの開催であったため、
準備期間も短かかったのですが、
当日は会場が一杯になるほどの参加(95名)がありました。

参加いただいた方々は、
長崎県の条例作成に関わった障害者団体の方々や
諫早市内の障害団体関係者、
諫早市議会議員、障害児教育関係者などで、
前回の学習会より支援の輪が広がってきたことを実感できる参加状況でした。

第1部 安永健太さん死亡事の背景と裁判にのぞむもの

まずは安永健太さんのお父さんと弟さんから、
思い出話も交えながら、
これまでの経過と今後の期待について話していただきました。

お二人からは、
二度と同じような事件が起きないためにも
この裁判に負けるわけにはいかないという、
強い思いとともに、
この裁判を続けていくにあたっての支援者への感謝の言葉が述べられました。

また、全国弁護団長の河西弁護士より、
昨年2月の佐賀地裁の判決が
知的障がい者に対する基本的な知識の欠如によるもので、
知的障がい者一般を危険人物とみなす偏見を持ったものであったことが
強い口調で述べられました。

ただし、12月の福岡高裁での裁判では、
被控訴人に釈明を求めた点や、この事件の当事者である警察官に
証人尋問を行うことを採用した点など、
少し明るい光が見えてきたことが伝えられました。

しかしこれは勝訴するための必要条件ではあるが、
十分条件ではなく、まだまだ気を緩めることができるものではなく、
そのためにも今後も学習会や要望書、募金などの
継続した取り組みをお願いしたいという報告と呼びかけがありました。

安永健太さん死亡事件を考える会福岡事務局の古賀さんからは、
これまでの取り組みを通して、障害のある人の人権と合わせて、
障害のある人への理解が遅れていることを実感したが、
昨年2月の判決は、障害のあることそのものが問題である
とされてしまうようなものであり、決して許されるものではなく、
これをきっかけに全国の障害団体が立ち上がり、
支援の輪が障害団体だけではなく市民や著名人にも広がってきたこと、
また、新聞の意見広告や裁判所への要望書提出など、
市民の関心が今の裁判を少し動かしつつあることの報告とともに、
3月25日の学習会への参加と
4月20日の第3回期日への傍聴の呼びかけがありました。


第2部 「障害のある人もない人も共に生きる
  平和な長崎県づくり条例(長崎県障害者差別禁止条例)」
  からみた安永健太さん死亡事件

この条例の制定委員の一人である、
長崎県手をつなぐ育成会会長より、
条例の解説と、この条例から見た
安永健太さん死亡事件についてお話しいただきました。

昨年8月23日に長崎で開いたつどいのアピールの、
「誰もが安心して暮らせることを願った条例・・・
条例を形だけではなく、命あるものにしていく」
というフレーズをはじめに採り上げられ、

20の障害団体(現:長崎障害フォーラム)で作り上げた
この条例を広く県民に伝え、地域の中で
安心して暮らしていける長崎にしていくためには、
まず当事者の皆さんが理解し、
県民に訴えていける力をつけることが必要であり、
安永健太さんの事件に対する運動は、
障害のある人の権利を守るための取り組みであり、
多くの障害団体にとっても勇気をもらっており、
私たちもこの活動に今後も参加し、
共生社会の実現に向けて協力していきましょう

という、心強いお話を伺うことができました。

甲田会長の話を聞いて、参加者の中からも、

お互いに協力し合いながら
誰もが安心して暮らすことができる地域社会の実現を目指して、
頑張っていきましょう

という発言が多数ありました。

最後に、
長崎県精神障害者地域活動支援連絡協議会顧問から、

「精神障害のあるなかま達が町に出て、
精神錯乱という理由で取り押さえられるようなことがあれば、
精神障害のあるなかま達は地域で暮らすことができない。
彼らを支援している我々は、大切ななかまを守ることができない。
障害者自立支援法や障害者総合支援法では
障害のあるなかまが地域で暮らすことが前提とされている。
しかしこれまでの判決は、これらの法に全く背を向けるものであり、
今日をきっかけに私たちはステップアップしていきたい。
障害があるからと言って人権が軽くみられるような社会ではいけない。
ひとりひとりの人権も命もその重さは同じである。
これからも声を上げ、力を合わせて取り組んでいくことを約束します。」

という、熱く胸を打つ力強い挨拶を頂き閉会しました。

なお、会場内では当日参加できなかったなかまの思いとして、
なかまが作っているお菓子の販売が行われ、
その売り上げはすべて募金としていただきました。

これからも引き続きこの事件と裁判に関する学習会を行い、
要望書や募金の取り組みも継続させ、
障害のあるなかまをはじめ
誰もが安心して暮らすことができる社会づくりに取り組んでいきましょう。

次回期日は4月20日(月)14:30~です。たくさんの方の傍聴をお願いします。

(安永健太さん死亡事件を考える会長崎事務局)